世銀・ADBが原発支援を解禁!? 国際署名にご協力を!

7 months ago 1720

満田夏花(FoE Japan)

原発支援は行ってこなかったのが…

世界銀行やアジア開発銀行(ADB)は、発展途上国の経済成長を促すために、インフラ建設などに対して技術支援や融資などを行っている開発金融機関です。日本は、両機関に対して多額のお金を出資しています(世銀に対してはアメリカについで2位、ADBについては1位)。

いままで、世銀もADBも原発への支援は行ってきませんでした。その理由としては、「核拡散、廃棄物、安全に関連するリスク」「専門性がない」「コストが高すぎる」などとしてきました。これらの理由は今も変わっていません。

それにもかかわらず、世界銀行は、今年6月、原発への支援をめざし、IAEAと協定を締結しました。報道では「原発融資の解禁について決定した」と報じられていますが、これは前のめり報道で、正式な決定は今後のようです。

また、ADBは、現在行われているエネルギー政策の見直しに、原発への支援を含める方針を示しています。しかし、これも一筋縄ではいかず、NGOなどから反対表明が相次いだことなどから、10月の理事会で決定される予定であったのが、11月末以降に延期されています。これは市民社会の国際的な連携の成果といってよいかもしれません。

国際的な原子力ビジネスの巻き返し?

経済的側面から考えても、原発は見込みがありません。「世界原子力産業ステータスレポート」によれば、2023 年の再エネへの新規投資額は、6,230 億米ドルで右肩あがりです。一方で、原発への投資額は、2023 年は230 億米ドルで、再エネの27分の1(下図)。

   出典:A Mycle Schneider Consulting Project,“The World Nuclear Industry Status Report 2024”p.369

つまり民間投資家は、原発が見込みがないことを見切っているのです。このため、原子力産業は、世銀やADBといった公的な金融機関の支援なしにはやっていけないのです。

国際原子力ムラによる巻き返しの象徴的な出来事として、2023 年秋にアラブ首長国連邦で開催された第28 回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)における、米国が主導した「2050 年までに原発による発電容量を世界で3倍にする」という宣言があげられます。日本を含む23カ国の有志国が賛同を示し、日本でも大きく報道されました。

この宣言文の中には「世界銀行、地域開発銀行(アジア開発銀行など)などの株主に対して、融資政策に原発を含め、積極的に支援することを奨励する」という文言が盛り込まれました。これが今回の世銀・ADBの方針転換の一つの布石だったのでしょう。

しかし、この宣言は正式なCOP28の採択文書ではなく、アメリカに追随し、原子力ビジネスに関心を示す諸国による自主的なものであることに注意が必要です。

リスクを負うのは誰か?

原発建設のコストははねあがり、いまや数兆円にものぼります。世銀グループやADBがアジアやアフリカなどの発展途上国に対して、原発導入のための技術支援や融資を行うことは、途上国の人たちに、核のごみや事故のリスクのみならず、将来にわたる経済的な負担や巨額の債務を負わせ、原発の利権を持ち込むことにより、持続可能な発展の機会を奪うことになるでしょう。

原発の運転によって生じる核廃棄物は何万年も管理が必要であり、ほとんどの国で処分地の選定すら行われていません。また、軍事転用、テロや軍事的な攻撃の対象になるなどさまざまなリスクをはらんでいます。

国際環境NGO FoE Japanは、ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパンも含め、世界各国の64のNGOとともに、世界銀行およびアジア開発銀行(ADB)に対して、原発の融資や支援の解禁方針の撤回を求める国際署名を呼びかけています。

「核のグローバル化」を防ぐために、ぜひオンライン署名にご協力ください!

▼ 署名 → http://chng.it/kWnJpNgm6K

Read Entire Article